ここ最近、4年前の創生「日本」の東京研修会の動画がSNSを賑わせているので、その周辺をネット上で確認してみました。
まずは、話題となっている動画です。
創生「日本」東京研修会 第3回 平成24年5月10日 憲政記念会館
14分を過ぎたあたりから発言されているのは、もと法務大臣の長勢 甚遠(ながせ じんえん)さんです。長勢さんという方は、ウィキペディアによると、
第78代 法務大臣
内閣 第1次安倍内閣
在任期間 2006年9月26日 – 2007年8月27日
とのことですが、発言部分を書き起こしてみますと、
安倍内閣で法務大臣を務めさせていただきました、長勢甚遠と申します。いまの民主党政権のていたらくは、みなさん方も(少し聞き取れず)…と思いますが、私はこれを見るにつけてもですね、戦後レジーム、敗戦体制、これがいよいよここまで来たかと、その象徴が民主党政権だろうと思います。安倍総理が戦後レジームからの脱却と言われたときに、私も感銘を受けて一緒に行動して参りました。そういうなかで28日に、自民党の憲法草案というものが発表されました。私はあれを読んでですね、また、自民党も、戦後レジームの定着に、大きな役割を果たしてきたんだなあということを、自ら言ってるようなもんだと思っています。
なぜ反対か。
この改正案のところは、賛成するところも沢山ありますけれども、一番最初にどう言ってるかというとですね、国民主権、基本的人権、平和主義、これは堅持するって言ってるんですよ。
みなさん。
この三つはマッカーサーが日本に押し付けた戦後レジームそのものじゃないですか。この三つを無くさなければですね、ホントの自主憲法にならないんですよ。
ですから私はまあ自民党員ですけれども、あの草案にはですね、反対なんですよ。(大きな拍手で一部聞き取れず)…我々自身が、戦後レジームの一部になってるんですよ。たとえば人権がどうだとか言われたりすると、平和がどうだとか言われたりすると、怖気づくじゃないですか。それは我々が小学校から、ずっと、ずっと教え込まれてきたからです。それを立て直すのはなかなか大変な作業です。みんなで力を合わせて頑張りましょう!(大きな拍手)
と、かなり凄い主張をされています。他の、錚々たるお歴々の方々の発言も驚異的であり、確かにこのような言説の中にどっぷり浸かっていれば人間の認識力や判断力も常ならざるものになってしまうのかもしれません。
ちなみに、この東京研修会へは、2016年6月の現時点で我が国の総理大臣である安倍晋三さんも参加されています。
この研修会自体は4年前のものですが、ここに披瀝された数々の主張や思想はそのまま現在の政権の核となっているようです。そして、自民党を強く支持するコアの人々もまた、これらの主張を十全に踏まえたうえで支持をしています。(決して、誤解や、知らなかったとか騙されているとかではなく)
最後に、そもそも、創生「日本」って何なのでしょう?
自民党、衆議院議員の古屋圭司さんのオフィシャルサイトによると、以下のように書かれています。
創生「日本」東京研修会
故中川昭一氏により設立された「真・保守政策研究会」は、安倍晋三会長のもと創生「日本」として再出発して5年。久しぶりに安倍総理・会長出席のもと東京研修会を開催。全国から多くの同志地方議員や応援団が出席。講師は小川栄太郎氏と櫻井よしこ氏。永田町には多くの政策集団が存在するが、創生「日本」は、真の保守という明確な政治理念を掲げる政策集団だ。現在は188名の衆参国会議員と多くの地方議会議員がメンバーとして活動している。次の歴史的テーマは何といっても「憲法改正」。