昨日の懇談会に関連して。
「市民ひとりひとりが参画する」と言われても、具体的によく分かんない、というご意見がありました。
今日はこのことについて、考えてみたいと思います。
これは別の市の話ですが、ちょうど分かり易い例だと思うので、昨年の4月に兵庫県の西宮市で実施された市長選挙を取りあげてみます。
発端は、前の西宮市長が新聞記者に暴言を吐き辞職したことに始まります。急きょ市長選挙となり、6人の新人が立候補しました。
接戦の末、石井登志郎氏が他の5人の候補を破って初当選しました。
石井さん、そして他の5人の候補者はいったいどのようなことを訴えたのでしょうか?
幸い、西宮青年会議所が主催した公開討論会を録画で見ることができます。
長い動画なので、当選した石井さんに絞ってクローズアップしてみると、たとえば、
「誰かを選ぶ民主主義から、365日、市民の声が届くかたちに私が変える!…西宮から民主主義を再生させる!」
と訴えているこの箇所は、なかなかグッとくるものを持っているのではないでしょうか。
市長を誰それに任せる、とか、委ねる、というのではなく、市民のみんなが考える、みんなが実行する、というかたちを模索してみる手もあるのでは?
小平市に住む哲学者の國分功一郎氏が、ご自身の著書『来るべき民主主義』で、こんなことを書かれています。
『 同僚の教員にスウェーデンで子育てをしていた方がいる。その方がある時こんなことを言っていた。
スウェーデンで子育てをしていた時、子どもたちは、保育園でも学校でも、どこでも自分たちの身のまわりのことを自分たちで決めるように求められていた。自分たちで自分たちのまわりのことを決める。だからこそ、それに対して責任をもつ。自分たちの身のまわりのことすら決められなくて、どうして「社会を変える」などと想像できるだろうか?
全くその通りだと思う。だからこそ、街づくりや地域づくりへの住民参加、そしてそれを求める住民運動が大切なのだ。自分たちの地域のことにも関心がもてなければ、どうして「社会を変える」などと思えるだろう。
日本の社会も少しずつ変わってきている。そして社会は少しずつしか変わらない。不安があるのは当たり前で、住民参加を希望していこう。』
少子高齢化。財政再建。原発の再稼働問題。沖縄米軍基地の在り方と北方領土の問題…等々。(外交と軍事の問題は大和田通信所を持つ清瀬市にとっても他人事ではありません。大和田通信所についてはこちらを参照ください)
いまや地方も国も問題山積です。が、逆から見ると、解決すべきことが沢山あって、とっても遣り甲斐がある、とも言えます。
また、いままで私たちが漠然と民主主義だと思っていたものは、実は真っ赤な偽物だったのかもしれません。本物は違うところに在るのかも。
試しに、確かめてみませんか? 「みんなで決める、みんながつくる、みんなが主役になる」そんな清瀬市を、実現できるか、否か。