反原発、現政権、北朝鮮


先日(4月15日)の午後、『なくそう原発清瀬の会』5年間の経過報告、ということで、集会があり、参加してきました。
参加者は、計32名でした。一昨年度、実施された福島被災地バスツアー時の映像をプロジェクターを使って上映し、これまでの活動を振り返るとともに、上映のあと、感想や意見を述べ合うというものでした。

ここに書くのは、その報告ではなく、集会を踏まえて私(事務局H)個人が感じた、主に反原発と現政権と北朝鮮に関することです。

近々、北朝鮮が6度目の核実験を準備していて、それに対しトランプ米大統領は臨戦態勢の構えで空母を朝鮮半島に差し向けています。
ICBMの開発および核弾頭の小型化が進んでいる北朝鮮は、早晩、アメリカ本土を直接攻撃できるようになるだろう、とアメリカが現実の脅威に感じ始めた結果と言えます。

安倍晋三首相はアメリカの態度を支持したうえで「サリンを弾頭につけて着弾させる能力をすでに保有している可能性がある」などと根拠のない煽りかたさえしています。

北朝鮮ミサイル「サリン弾頭可能」 安倍首相 2017/4/13 13:39
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS13H16_T10C17A4EAF000/

これに対し、「アメリカの行動次第では韓国や日本のアメリカ軍基地も攻撃の対象にする」と北朝鮮は公言しています。

「超強硬的対応」日韓の米軍基地も反撃対象と警告(2017/04/15 05:50)
http://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000098683.html

にもかかわらず、日本の人々はそれほど危機感を感じていない、すくなくとも私の身のまわりの雰囲気ではそう感じられます。
口に出さなければ災厄は何事もなく頭上を通り過ぎてゆくだろう、という誤った言霊根性が、やはりこの国を覆っているようにも思えます。

ところで、この現内閣の強気の態度を受けて、内閣支持率は上昇しています。

「安倍内閣の支持率は60%(前回56%)、不支持率は29%(同33%)。北朝鮮への脅威を「大いに感じる」とした人に限ると、支持率は64%に上った」

米の対北圧力「評価する」64%…読売調査
http://www.yomiuri.co.jp/politics/20170416-OYT1T50104.html

「これは読売新聞の調査結果にすぎず信用できない」という人も居ますが、私は現実をしっかり見るべきだと思います。
安倍内閣を支持する側の、大勢の言い分としては次のとおりかと推測します。
「いままで“話し合いで解決”とか弱腰の対応を取っていたから、北朝鮮を増長させ、現在の状況にまで悪化した」と。

ところで、共産党の志位委員長は4月13日に、以下のとおり発言しています。

「米国は、国際社会と協調して、経済制裁の厳格な実施・強化を行いながら、北朝鮮との外交交渉に踏み切り、外交交渉のなかで北朝鮮の核・ミサイル開発の手を縛り、それを放棄させるという選択肢こそとるべきである」

米国は軍事的選択肢をとるな──外交交渉のなかで北朝鮮の非核化を
http://www.jcp.or.jp/web_policy/2017/04/post-743.html

しかし、「経済制裁の厳格な実施・強化」は戦前の日本を連想させます。ABCD包囲網で追い詰められた結果、自暴自棄な太平洋戦争に突入していったさまが、いまの北朝鮮と重なって見えてしまうのです。

今日の集会に参加された方の共通の願いは「原発は絶対に無くしてほしい」というものだと思います。私の見方ですが、原発をなくすには、三つの課題をクリアしなければなりません。
ひとつめは、原発に代わる電力の創造。これは特に3.11のあと、急速に発達した様々な自然・再生可能エネルギーがあります。確かに、たとえば、風力発電にしても自然や風光を破壊するというデメリットもある程度は含みますが、「原発のリスクから解放される」という途方もないメリットとは、比べようもないものだと思います。なので、この課題は現状でクリアできている。
ふたつめは、利権の問題です。いわゆる原子力ムラが生み出す利権と、大手の広告代理店が世論を誘導するさまは、本間 龍さんの『原発プロパガンダ』(岩波新書) に如実に描かれています。
三つめは、原発の技術はいつでも核兵器の開発に転用できるという、原発がそのままこの国の安全保障に繋がっている、という側面です。
核を保有している中国や北朝鮮と、では、いったいどのように対峙すればよいのか、という問題。
「平和外交で」というのが共通した答えだと思います。しかし、いまはそのような抽象的な言葉は、(これはあくまでも私の個人的見方ですが)かえって一般の人々の心を離反させ、極右的な方向へ誘導してしまうものになってはいないでしょうか? そして、それらの人々が日本会議のような組織の土壌になっている、と。

平和外交は私も大賛成です。ただし、キーワードではなく、具体的かつ現実的なものとして語られない限り、それは逆効果しか生み出さない。これが現状だと思います。
集会では、未曽有の出来事であったはずの福島原発の過酷事故の記憶さえも、すでに風化してきている、という主旨の発言もありました。
私は、やはり、もっと深く掘り下げる努力をしないといけないのだと思います。従来の用語でいえば「活動を展開する」または「運動を深化させる」でしょうか? とにかく、いまはそれ(昔の用語でいえば「総括」でしょうか?)が欠けているように思えます。

「反原発、現政権、北朝鮮」への1件のフィードバック

  1. 現在、私の周りの82歳 83歳の人たちが言ってます。「今は
    あの時と同じ雰囲気です。僕は小学校5年生だった。」「私は小学校6年生だった。あの戦争が始まった夜のことは忘れられません。」と。彼らはあの大戦から学び、憲法をとても大事に考えて日々周囲の人々に広める運動に邁進しています。私も改めて思います。日本国憲法があったから、日本は国同士の際どい争いを対話で持ちこたえたのだと。私ももっと危機意識を持って暮らさねば、、です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。