2/18「新座さいがい・つながりカフェ」参加報告


2017年2月18日の午後、新座の栄公民館で「新座さいがい・つながりカフェ」という集まりがあり、参加してきました。

この集まり、東日本大震災で被災された方々のうち、新座へ一時避難されている方々と、日常生活面でそれを支援する方々との交流の場ですが、福島県内の避難指示が一部を除いて解除され、原発事故被害者への賠償も打ち切られ、自主避難の方々への住宅支援もこの3月で打ち切られるという帰還政策が政府によって進められており、この「新座さいがい・つながりカフェ」も今回で実質、最後の集まりになるとのことでした。

避難生活をされている方々も引越し準備等の多忙の最中にも係わらず参加され、支援者も含め計20名ほどの参加者により、これまでの4年半の「新座つながりカフェ」をスライド写真で振り返りました。
今後は、せっかく出会えた絆なので、3か月に1度でも、集まれる人で「つながりカフェ」をできたらよい、参加できない人は近況を「つながりカフェ」の主催者に寄せ、定期的に発行する「通信」でつながり合えたらよい、とのことでした。
最後に参加者のみんなで「今日の日はさようなら」を唱い、集合写真を撮って散会となりました。

【印象に残った発言】
今回の集まりでは、スライド写真のほかに、避難生活をされている方々のお話や各参加者の発言があり、印象に残っているのは以下のとおりです。

・さいたま共済会館(浦和)でも3月5日に『太陽の蓋』の自主上映会がある。これは「あの日」のことを、いま一度、考えなおすと同時に、福島原発さいたま訴訟のことを、一般に広く知ってもらう目的もある。

・避難された方々が全国に散らばり、結果的にテレビを見る時間が長くなる等により、方言を奪われることを懸念している。(方言を研究されている教員の方)

・2月7日の東京新聞に、この新座つながりカフェのことが掲載されている。

・自主避難者へのアンケート結果を見ると、子どもに対してだけではなく大人も様々ないじめを受けている。

・今日の午前、朝霞市産業文化センターで説明会があった。参加人数もあまり多くなかった。行政の職員などが除染状況などを説明。放射性物質汚染廃棄物の仮置場の状況。ずっとそのままになっている。

・住民票を移すべきかどうかという問題。メリット、デメリットは居住する自治体によって異なる。

・南相馬市の桜井勝延市長のこと。日本国憲法全文を印刷した冊子を配布する一方で、南相馬市内の居住制限区域及び避難指示解除準備区域の解除を性急に決定してしまったこと。すくなくとも言えるのは、住民の意向を反映したものではない、と。

・解除をしないと、電車を通せない。線量の基準値は20ミリシーベルト。市では1ミリシーベルトに近づけるといっているが、何年掛かるか分からない。周りの人からは、なんでそんなところに帰るの、と云われる…

・星影のワルツ。隠されたストーリーがあると聞いたことがある。(実は部落差別を背景に持つ歌らしい)

・最初の2年くらいはどん底だった。ここで、みんなと繋がっていることが頑張ろうという気持ちになった。

・人生の区切りとして新たにスタート。仕事も、家の中もまだごちゃごちゃとしている。いろいろと支援していただいてありがとうございました。

・原発の事故。解決するのは随分先。原子炉の内部がようやくわかった。最終的には100年くらいかかるのでは…。…カフェもこれで最後ではなく、いったん中締めということで。こころはつながって居るとおもう。

・ボランティアというものをはじめてさせてもらった。する側の方こそ得るものがあると聞いていた。確かにそうだった。このように知り合いになれた。なにかあったら、また会いましょう。

・新座つながりカフェ、最初はスタッフは居るけど当事者が居ないという状態だった。プライバシーの問題で、避難生活をされている方々の情報が全く得られなかった。

・いろんな刺激を受けた。これからもそれぞれの持ち場で。頑張っていこう。

・「ゆい=結」。わたしは絆って言葉は嫌い。自分では支援(ボランティア)って思ってない。結で繋がり、楽しい時間を共有できた。これからも繋がってゆきたい。

・4月には花見、人数が少なくても行きましょう。

【参加しての感想】
政府の方針は、東京オリンピックを3年後に控え、国の内外に向け、原発事故を過去のものにしたい、という動機が非常に強いものであると感じます。
私などは、むしろ東京オリンピックなど今からでも止めてしまい、その代わり被災地の災害復興を加速させてほしいと思うのですが、現実は逆の方向に進むばかりです。
しかし・・・6年前の3.11、この国はもっと酷いことが起きたかもしれないということを、いま一度思い起こす必要がある、その「振り返り」の一助になればと思い、「きよせ市民の会」では、近々「太陽の蓋」の自主上映会を企画しました。
3月18日に清瀬駅前のアミュービル6階で実施します。

【関連情報】
インターネット上に存在する有用な関連情報を以下に紹介して、報告を終わります。


2/7 東京新聞の記事(新座、被災者支援活動に一区切り 他の地域の交流会などを検討)


「避難指示区域の解除について」(南相馬市のホームページ)


南相馬市のホームページに掲載された日本国憲法(全文)と桜井勝延市長のあいさつ文


南相馬市が全戸配布した憲法冊子(全条文収録)を市民はどう読んだか?(弁護士・金原徹雄のブログ)


「福島原発さいたま訴訟を支援する会」


NGOグリーンピースによる「政府へ原発事故の被害者の人権をまもることを求める署名」


【2/18 朝霞】第2回「相談・交流・説明会」(福島県県外避難者相談センターからのお知らせ)


放射性物質汚染廃棄物処理情報サイト(南相馬市の状況)


自由なラジオ LIGHT UP JOURNAL おしどりマコ・ケンによる原発被害者集団訴訟の裁判レポート
※素晴らしいレポートです! こちらからYouTubeやMP3音声、また、文字起こし全文がご覧いただけます


20170219 UPLAN【シンポジウム】福島原発事故から6年ー「復興」の名の下に 切り捨てられる人びと

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