こんばんは。きよせ市民の会ホームページ担当のHです。
昨日の事務局会議では、出席者(十数名)の間で様々な意見交換が行われ、現在の情勢についても話し合うことが出来ました。
「現状分析」なんて悠長なことをしている場合じゃないでしょ? 2015年安保法案の強行採決から早くも一年が経とうとしていたり、高江ではヘリパッド建設阻止を巡って闘いの最中だというのに?
という見方もあるでしょうか、現状分析をして原因を探れば、どう対処することが有効か、という答えを見出せるやもしれません。
さて、意見交換で出てきたキーワードは次のとおりです。
北朝鮮の核実験。衆議院東京10区の補選。東京都知事選の反省。高江の機動隊員。定時制高校廃止と軍事研究が解禁される大学。原発と経済のこと。日本会議と日本人のメンタリティ。憲法のこと。
けっこうバラバラな話題に見えますが、みんな繋がっています。
(なお、以下は、あくまでも私なりの整理になりますこと、ご留意ください)
【核、原発、国際社会】
東日本大震災のとき、福島第一原発の事故により、危うく東北・関東周辺を含め人が住めない事態になりかねなかった2011年の人々の気持ちは限りなく原発ゼロに近かったはずですが、喉元すぎれば熱さを忘れる習性か、いまや原発推進の流れに様変わりしています。
電気は足りている、でも、経済を立て直すには原発も必要だ、という理屈であったり、あるいは、安全保障の要としていつでも核を保有できるようにしておくには原発を残しておかなければならない、という本音であったり、あるいは、一説にはウランビジネスで巨大な利権(ロスチャイルド系のリオ・ティント・ジンク社)が存在していて止められないのだ、とも言われています。
一番の理由は、判然としません。
国際情勢も同様です。先日の北朝鮮の核実験は、確かに日本にとっても脅威ですが、マスコミは号外を発行したり必要以上に危機感を煽っているように見えます。「北朝鮮は何を考えているか分からん、だから日本も自衛隊を軍隊化するとともに核武装して備える必要があるのだ」という方向へ世論を誘導するかのようです。
が、表向きには北朝鮮を非難するアメリカや中国も、もちろん核を保有しています。小学生には分かり易いそんな矛盾も大人になると分からなくなるようです。
国際社会も、あてにはならない。オバマ大統領も、広島では感動的なスピーチを行いましたが、行動が伴いませんし、例の「死神が空から降りてきた」というレトリックも戴けません。誰が、何のために落としたか、という点を誤魔化すのは良くありません。
私たちの住む清瀬市では、昭和57年に「非核清瀬市宣言」を行っています。
清瀬市ホームページ
http://city.kiyose.lg.jp/080/030/020/index.html
いま一度、この素晴らしい宣言の精神に立ち返り、市民レベルから今できることを模索したいと思うのです。
【安全保障問題、軍事産業、経済】
上述のように、原発は核開発のための技術や材料の保持という側面を持っています。そういう意味で、安全保障問題とも密接に繋がっています。経済も同様です。ここ1年ほどの流れとして、実質上の武器輸出が可能になるとともに、大学での軍事研究も解禁されようとしています。
京都新聞の社説
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20160817_4.html
このように、いろんな物事は繋がっているわけですが、安倍政権はある意味、惚れ惚れするくらいそれらを上手く廻しているように見えます。もちろん、悪いほうに、ですが。
なり振り構ってなどいられない、人殺し戦争軍事産業であろうとも、この国の経済を立ち直らせることができれば、と必死なのです。背に腹は代えられない、と。
経済は大切です。しかし、国が破れては元も子もありません。しかも、放射能に汚染されてしまっては、山河すら残らないのです。
ですが、昨今の趨勢を見ると「やはりアメリカに守ってもらわないといけない、そのために沖縄には今後も犠牲になってもらおう」というに留まらず、「日本も自衛のための核保持を!」とさえ言い出すのは時間の問題と思われます。
”軍隊も核も持たず、では、北朝鮮のような「(アメリカ曰く)無頼テロ国家」に、どう対応するつもりだ?”
そこは充分に検討しなければなりませんが、すくなくとも現在のマッチョイズム的な対応では解決にならないことは、世界最強国であるはずのアメリカの9.11以降の現実を見れば明白なのではないでしょうか。
【日本会議と日本人のメンタリティ】
東日本大震災と福島第一原発で疲弊した日本。それゆえ、そこからなんとか抜け出そうと、経済ではアベノミクスというカンフル剤が打たれ続けていますが、正直、覚せい剤と同じで体はもうボロボロの状態にあると思われます。にもかかわらず、テレビでは寧ろ「こんなにすごいぞ日本人」のような興ざめな番組が増えています。
社会が悪化すればするほど「それは何々のせいだ」とする言説に、人々は惑わされます。昔は良かった、たとえばそれは家族制度がしっかりしていたからだ、という「古き良き日本」という幻想をネタに、日本会議等の政治団体は過去の悪癖を復活させようとしています。
それは、あからさまに言えば「女子供は黙ってろ!」という、おっさん的なメンタリティです。実際の「おっさん」にも多いと思いますが、女性の中にも、櫻井や高市、稲田や小池など、この手のメンタリティに溢れる女性が目立ちます。
いったい安倍政権の本質はどこにあるのでしょう。
たとえば、私のこの一文が私の独創ではないように、現政権の偏った復古主義は現政権の独創ではありません。仮に安倍総理が明日誰かと交代しても、悪しき復古主義への回帰は止まらないでしょう。何がそれを駆動しているのか、正しく分析して患部を摘出するしかないのです。難しいことですが。
【憲法改正】
自民党を含め、それらの復古主義的勢力は、どのような憲法改正を狙っているのでしょうか?
当初は第9条だと言われていました。しかし、現時点では、本命は「緊急事態条項」の追加にある、と言われています。これを手に入れられさえすれば、好き勝手できるだろう、と。あるいは、憲法第24条でしょうか? 現在の個人>家族>国家という優先度をひっくり返して、国家>家族>個人、というふうにすれば、昔のように日本は良くなる! と、日本会議系の人々は、本気で信じています。そして、それは残念ながら日本人の従来のメンタリティにも非常に親和的なのです。日本人は本質的に全体主義的な民族だと常々私は感じます。
ですので、これは個人的な意見ですが、ただ単に護憲を唱えても上述の「悪しき復古主義」には勝てません。
憲法改正に対しては、様々な意見があります。たとえば、
・日本は9条を文字通り実行し、その姿勢を国連で訴えるべきだ。(柄谷行人)
「憲法9条」を巡って 意義問い直す 柄谷行人の刺激的な議論
http://www.nishinippon.co.jp/feature/press_comment/article/255647
・国連憲章を基調とした「非戦」を貫くための新しい憲法9条案。(伊勢崎賢治)
伊勢崎賢治氏の考える「10年後の憲法9条」
http://blogos.com/article/179470/?p=2
などです。共通しているのは「条文と現実の乖離が甚だしい現状を何とかしなければ」という認識だと思います。
反対だけしていても、人は動かない。実現可能かつ真に魅力あるストーリーが、いま、必要なのです。
結論は、まだありません。